グランビルの法則とは、金融記者のジョセフ・E・グランビルが考案した法則です。
ジョセフ・E・グランビルさんは学者ではないこともあって、難しい理論ではなく、直感的に分かりやすい法則が考案しました。
このこともあり、グランビルの法則が世の中に広まり、今でも多くのトレーダーに親しまれていると言われています。
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グランビルの法則とは?
グランビルの法則は価格と移動平均線の位置関係から、買いと売りのポイントを示す8つのパターンのことを意味します。
この法則の根底にあるのは、移動平均線とローソク足は離れたりくっついたりする性質があるというものです。
ローソク足から離れた移動平均線はやがて近づいてくることはトレードを行っていれば実感できるものです。
その後、トレンドが継続する場合、ローソク足と移動平均線は再び離れていきます。一方でトレンドが転換する場合は、ローソク足と移動平均線はクロスします。
このように、ローソク足と移動平均線はトレンドの性質によって位置関係を変化させていきます。
このような習性から、エントリーポイントを定義したものが、グランビルの法則というわけです。
4つの買いパターン
グランビルの法則では4つの買いパターンが定義されています。チャートの4か所の丸印が、それぞれ買いパターンのエントリーポイントとなります。

①新規買い
移動平均線の傾きが下向きから水平になったポイントに注目し、ローソク足が移動平均線を上抜けしたら買いのサインとなります。
「ここから上昇トレンドがスタートしますよ」という合図になるため、ここでエントリーしておけば、大きな利益を得られる可能性が高まります。
②押し目買い
上昇トレンドの最中、ローソク足が一時的に移動平均線をタッチ、もしくは下抜けするときがあります。ローソク足が下がってきても、移動平均線が右上がりの状態であれば、再び上昇する可能性が高いでしょう。
「まだまだ上昇しますよ」というサインであるため、押し目買いのエントリーポイントとなります。
③買い増し
上昇トレンドの最中に、ローソク足が一時的に移動平均線に接近したポイントに注目します。このとき移動平均線が右上がりであれば、接近したポイントから再び上昇する可能性が高いと判断できるので、買い増しのサインとなります。
もしポジションを持っていれば決済は行わないようにしましょう。さらにポジション量を増やしてもOKです。
④短期の買い
下落トレンドの最中に、ローソク足と移動平均線が一時的に乖離したポイントを狙って買いを入れます。これは大きく離れたローソク足と移動平均線は、やがて近づいていくという相場の習性に基づくものです。
④の短期の買いについては、大きなトレンドと反対方向にエントリーすることになります。難易度はやや高くなるので、初心者の方にはあまりオススメできません。
4つの売りパターン
4つの買いパターンに対応するように、売りでも4つのパターン存在します。こちらもチャートを見ながら確認していきましょう。

①新規売り
移動平均線が下向きから水平に変わるポイントに注目します。ローソク足が移動平均線を下方向に抜けたら新規売りのエントリーポイントです。
「ここから下落がスタートしますよ」というサインになります。下落の場合、上昇よりも一気にトレンドが進行することが多いので、絶好のトレードチャンスとなります。
②戻り売り
下落トレンドのとき、ローソク足が移動平均線を上抜けするときがあります。このとき、移動平均線が下向きであれば、再び下落する可能性が高いと判断することができます。
ここが戻り売りのポイントとなります。トレンドの方向性は決まっているため、初心者でも利益を出しやすいエントリーポイントです。
③売り乗せ
下降トレンドの中で、ローソク足が移動平均線に接近するポイントに注目します。このとき移動平均線が下向きであれば、再度下落する可能性が高いため、残高を確認してポジションを増やしても行ってもOKです。
④短期の売り
ローソク足も移動平均線も上昇中、大きな乖離が発生したポイントに注目し、短期で売りを入れます。逆張りとなるため「新規の買い」と同様、初心者にはオススメできません。
大衆心理を意識して設定を行おう
グランビルの法則はエントリーポイントが明確で、使い勝手は非常に良いと言えるでしょう。初心者にもおすすめすることができます。
しかし一方で、ローソク足の時間足や移動平均線の設定をどうすればよいのかという疑問を持つトレーダーの方が多いようです。
というのも、設定期間を変えれば、8種類のエントリーポイントの位置や数が変わってしまうことがあるからです。
では、設定期間をどうすればよいのでしょうか。それは「多くの人が意識している基準」を採用することです。
多くの人が意識している基準とは?
多くの人が意識している基準とは何なのでしょうか?
例えば、あまりにも設定期間を短くするとエントリーシグナルが頻繁に現れるため、ダマシが発生しやすくなり、余計な損失を出してしまいます。
反対に設定期間を長くし過ぎるとエントリーシグナルが現れにくくなるため、チャンスを逃がしてしまうでしょう。
このような設定期間は、ほとんどの人が採用せず、意識もしないはずです。
つまり、多くの人が意識している基準とは、移動平均線とローソク足の関係がほど良い位置関係に設定されていると言い換えることができるのです。
設定期間にこれといった決まりはないので、以下を参考にしながら自分に合った移動平均線の設定期間とローソク足の組み合わせを探っていきましょう。
短期トレーダーの方
短期トレードをメインに行っている方は、移動平均線のパラメータを20~30程度に設定することをオススメします。
ローソク足は5分足~1時間足の間でちょうど良いものを選びましょう。
スイングトレードを行う方
スイングトレードを行う方は、移動平均線のパラメータを50~150程度に設定することをオススメします。
ローソク足は4時間足~日足の間でちょうど良いものを選んでください。